整体の通信教育について

武道医学、武道整体、武術整体、オステオパシー、カイロプラクティック、日本伝統の整体学校

●整体の通信教育について

　昔から事務系仕事の通信教育講座の募集が新聞等でよく見かけられるが、この数年、整体の通信教育も目立つようになってきた。ターゲットは四十代、五十代そして転職の考えている人がほとんどである。当学院にも毎月数件の問合せがあるが、果たして整体は通信教育で身に付くものだろうか？
　答えは、当然「ノー」である。
通信教育の整体は揉み系の整体術であり、このレベルの技術を習うのであれば、わざわざ高い授業料を払って下手な揉み技術を習うよりも、市販されているマッサージ関係書籍などで覚えれば安上がりになると、当学院の答えである。
　通信教育を行っている側の言訳として、スクーリング等を数ヶ月一回のペースで揉む技術や背骨をバキバキ鳴らす程度の簡単な技術を行うことによって、数回の単位を取得すればそれで０Ｋだという。しかし、本来、整体の技術というはわずか数回の指導で身に付けられる単純な技術ではない。整体だけではなく、どんな技術でも習得する場合は、頭で覚えるより体で体得するものなのであり、さらに整体に限っていえば、幅広い関節変位の診断学と医学的な知識が必要となる。
　整体の治療院に通う患者のほとんが、様々な療法を試して効果がないときに整体の治療院に通う。下手な我流マッサージを整体の名目で時間制で行っても効果があるわけではない。無論、無資格でマッサージ行為を行えば、例え、整体の看板を上げたとしても法律に抵触し、取り締まりの対象となるのはいうまでもない。
　治療効果の話になってくると、下手なマッサージでも痛みが解消されたと考える人がいるかも知れない。しかし、患者の訴える痛み等というのは、そのまま治療しなくても、数日間または数週間で消えてい行くことが多いが、痛みが消えたからといって、その原因が治ったわけではない。問題はその原因をしっかりと取り除かない限り、将来、何回も繰り返し、痛みもより強く現われてくることである。
　整体の最大の長所は、骨格の調整によって、極めて短時間の施術で最大の効果を上げ、しかも痛みの原因となっている骨格関節のユガミを正常に戻し、根本的な原因を解消するところにある。このような技術に達するには通信教育の揉み系の整体では絶対に到底無理である。
　整体の技術は正しい指導のもとで、毎回違った相手と組んで何回も何回も繰り返し練習したりして、臨床経験を高めないと、なかなか一人前の整体師にはなれない。
　現在、各団体によって整体の免状や資格を通信教育等で取得するのは非常に簡単であるが、開業して成功するには、高い臨床技術が必要であるということは言うまでもない。

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