武道医学、武道整体、武術整体、オステオパシー、カイロプラクティック、日本伝統の整体学校
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武道医学とその体系&内容

◆古くて、新しい学問・武道医学とは
 武道医学は、古来より日本武術、特に柔術の中で受け継がれてきた一つの伝統医学であります。武術の中にある医術というのは、いつ頃から取り入れられたかは不明でありますが、現時点で資料(史料)を見る限り、戦国時代が有力であります。戦場での殺傷行為の増大により、必然的に実践的な医学の知識や研究が必要となったのであろう。整体、整骨術は、江戸時代において、殺活自在の技法として柔術各派に研究されてきました。そして東洋医学の影響の下、日本武術独自の殺活法の医学、即ち武道医学を編み出されるに至ったのであります。
 しかし、武道医学というのは、当時からこの名称だったわけではなく、戦後、故・中山清先生によって命名されたものであります。
 一つの学科または学問と考えた場合は、総合的に「武道医学」と呼んでいますが、一つの流派として考える場合は、「武医術」 と呼ば れています。
 武道医学として考える場合は、総合的な研究を対象としたもので、様 々な分野の良い部分を取り入れてもかまわないとされています。しかし、一 つの流派として考える場合は、その伝統技法を頑固たる決意で変わりなく保存するこ とになっています。無論、武医術の技法は武道医学の本来の姿であるということはいうまでもありません。

 日本武道医学は次のように体系づけられています。

●医之門

 この部門は武道医学の医学的な研修及び研究部門で、武之門に入るために、必ず 医学的 な基礎知識を身につけなければならないことになっています。武技の練習に よって、身体 にさまざまな変位や損傷などの異常が現れるので、互いにまたは各自 でこれらの異常に対 応出来るようにするためであります。医の門は次のような研究 部門から成り立っています 。

1)手技医学研究部門
 この部門は主に、骨格調整法を目的とした研究部門で、東西(東洋と西洋)各地 で行 われている各種骨格矯正の研究と伝承と研修が行われます。武道医学に伝わる 各種骨格矯 正法といえば、整体、カイロプラクティック及びオステオパシーなどが 挙げられますが、 整体に関しては、一般にあちこちで行われる揉み整体術ではなく、 きちんとした体系によ って身体全体の骨格を安定させる目的で行われます(武道整 体と間違いだらけの整体知識 を参照)。
 武道医学に伝わる整体術は日本伝来の柔術の骨格矯正法が主体となっています。 また、 カイロプラクティックやオステオパシーに関しては、両者は米国式脊柱矯正 療法として有 名でありますが、歴史上初めて、米国のオステオパシー医学界と数カ 月に渡って交流を行 ったのは日本武道医学の創始者中山先生であります(日本武道 医学とオステオパシーの交 流を参照))。従って現在米国においてもオステオパシー の古典的な技法が失われつつあ る現在、日本武道医学会ではその古典的な技法の保 存と伝承にも力を入れています。

2)東洋医学研究部門
 東洋医学は日本武道医学の重要な一部門であり、この部門には日本柔術特有の研 究、即 ち武技の観点における東洋医学の研究があります。この部門では、武道医学 の特有の「柔 の秘薬」が伝承されます(免許者のみ)。

3)整骨研究部門
 この部門は、整体とは全く別の研究部門であり、この部門において日本柔術特有 の整骨医法が保存され、伝承されています。しかし、この部門で保存および伝承さ れている技法 は、現在の柔道整復の学校で教えられる現代整形外科的な整復法(脱 臼や接骨に関する療 法)ではありません。日本武道医学に伝承されている整骨技法 は、柔術との関連が深く、柔術の 実戦的な研究によって明治までにいくつかの柔術 流派の免許皆伝者または相伝者のみ伝承 されていた秘伝中の秘伝と言われている医 法であります。例えば、柔術の技で肩関節を外 す(脱臼させる)方法の反対方向に、 整復法(治す法)を行いますが、当然外す方向を知 らないとその整復方法も知らな いことになります。戦後、失伝寸前であったこれらの技法 は中山先生の努力によっ て保存されたのであります。
 尚、日本武道医学会で伝承されるこれらの整骨および整復技法は、骨接ぎの職業を行うためのものではなく、あくまでも、柔術の関節技等と裏表一体になっている古式の技法を保存し、また道場の中における応急手当ての目的で行われています。

4)各種伝統医学部門
 もともと、中山先生は若い頃、大学で東洋哲学およびインド哲学などを専攻され ていま す。よって、インドのアーユルウェーダなどにも精通されていました。これ らの伝統医学 と東洋医学(中国医学など)の関係が深いことから、武道医学ではこ れらの研究を積極的 に行うように勧めておられました。現在日本武道医学にはアーユルウェーダ医学やユーナ ニ医学、チベット医学などの研究部門があり、各地との 交流も行っています。関連図書とし て、『ユーナニ医学入門』(S.パッリシュ著、 ベースボールマガジン社刊)があります 。

●武之門

 この部門は日本武道医学の武道の一流派としての部門です。この部門は次のよう な研究部 から構成されています。

1)柔術
 これには表36本、裏36本そして極意36本の武医術独特の柔術の技 法があります。

2)殺活法
 この部門は柔術の技法と平衡に伝承されるもので、ここでは、医之門で一般に伝 承され ないような医術も伝承されます。例えば、医之門においても、活法の理論と 基本技法が伝 承されますが、武之門では、活法の実践的な技法を奥深く研究と伝承 対象にしています。 またここでは、活法に伝わる秘薬なども伝承され、毒薬なども 殺法として伝えられます。 この位では、柔術の最高秘伝とされる、関節を外したり、 入れたり(整復法)する技法が 伝承されていきます。中山先生の遺言によって、毒 薬や殺法の危険な技法は、武医術の免 許皆伝者にのみ伝承され、さらに四十歳以下 の門人には伝承されないことになっています 。

3)気体調整法
 これは武道医学(武医術)特有の内功法であり、計12種の訓練 法があります。この部 門では裏経絡も伝承されます。気体調整法には医学的な半面 (健康面)があると同時に、 武術的な半面(攻撃体制を整える面)もあります。

●哲理部門

 この部門は武道医学の理論的かつ哲学的な奥深い部門であります。前記したよう に、中 山先生はインド哲学や東洋哲学を専攻していたことから、武道医学の特に活 法の効能を、 宗教的、哲学的および超自然現象的な立場から深く研究の対象にされ ておられました。し かし武道医学は現代社会で問題となっているオカルト宗教やオ カルト武道の思想と行為とは 無縁であり、あくまでも一つの医療分野であり、また 武術分野でもあります。
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