●骨盤の構造について
骨盤というのは、イラストのように左右の腸骨と仙骨の構成からなっていて、腸骨と仙骨は仙腸関節(左右)を形成しています。
仙腸関節というのは、人間の体重を支持する部分で、この部分に変位が起こりますと、骨盤だけではなく、骨盤内に納まっている内臓器官の位置にも影響を及ぼします。 |
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●骨盤の変位について
骨盤を構成している左右の仙腸関節は、可動性のある関節で、歩くときに常に動いています。しかし、その運動範囲には制限がありますので、その限度を超えますと変位(ズレ)を起こします。日常の動作や仕事およびお産などは仙腸関節に影響を及ぼし、これによって様々な種類の変位を現れてくることがあります。
骨盤の変位というのは専門的に仙腸関節のズレのことなのです。俗に、「骨盤開いている」とか、「骨盤狭くなっている」とか言われますが、これは決して専門家の使う用語ではありません。
骨盤や骨格矯正技術の最先端技術を誇るアメリカのオステオパシー医学において、骨盤にはおよそ22種類以上の変位があり、これらの変位の診断は様々な医学的な検査法や特殊な触診法で確認されてい |
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●骨盤の変位から現れてくる主な症状
骨盤の様々な変位からは、以下のような身体的不調が現れます。
1)腰痛
2)膝痛(外傷はないのに膝が痛む)
3)座骨神経痛
4)便秘、下痢
5)肩こり、頭痛
6)内臓機能低下など |
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●アドバイス
人間は両足で立っているため、日常骨盤(仙腸関節)への負担が非常に大きい。また、骨盤と頭蓋骨のバランス関係もあり、素人的に、開いているとか狭くなっているだけの単純な言葉と体操等で解決できる問題ではありません。また、骨盤の形や大きさというのは、各自の体格、性別、年齢などの条件によって多少違います。
骨盤の専門的な構造と解剖学的な所見に基づく変位の種類を考慮せずに、全ての体格、体型や年齢に同じ矯正や体操をやっても決して骨盤の安定には繋がりません。
骨盤に関係する体操等はその場で気持ちが良いかもしれませんが、多くの場合は身体のユガミを慢性化させることがあります。さらに、骨盤と頭蓋骨とは脊柱を通して構造的に、生理的に密接な関係にあるため、頭蓋脊髄液の循環に悪い生理反応を起こして、将来、想いかけない病気にかかる場合もあるので、注意しなければならない。
まず専門家に骨盤の変位の種類をチェックしてもらい、可能性のある変位を正確に矯正し安定してもらうのは一番大切であります。そして、必要に応じて、各自の体格体型等の条件にしたがって、自分に合う体操を行うのが一番望ましい。
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